任意売却

2006年04月10日

国土交通省が3月23日に発表した2006年1月1日時点の公示地価は、東京都が15年ぶりのプラスとなっています。

しかし、2005年も、千代田区や中央区などの都心部は上昇しており、ここ2〜3年の不動産価格の上昇を反映しています。

このため、不動産競売市場も活況を呈しており、競売でも予想外に高額の買受人が登場したりしています。

この現象は、担保権者である金融機関、サービサー、RCCなどの不動産の査定価格に影響を与え、高額の査定になってしまっています。金融機関側と債務者側の鑑定書に差が出てしまう現象が起こっており、この結果、任意売却や、弁済による残債務免除の交渉が難しくなってきています。

売主(債務者)も、担保権者も、双方が納得できる担保不動産の価格の客観的評価基準を考えなければ、不動産の任意売却による早期解決が困難となるでしょう。



taniharamakoto at 22:39コメント(1)トラックバック(3) 

2005年04月05日

不動産の任意売却において、買主側が注意すべきものについて、詐害行為取消権という問題があります。これは、不動産の所有者兼債務者が、一般債権者に支払ができなくなることを知りながら、一般債権者が換価支払を受けられるべき財産を不当に減少させた場合に、それを取り消すことができるという制度です。
 
たとえば、無担保不動産を所有している人が、その不動産を誰かに贈与してしまい、財産がなくなった結果、その人の債権者が債権を回収できなくなるような場合に、債権者は、その贈与を取り消すことができます。
 
これが、任意売却の場面で、どのように作用するか。取り消されるということは、買主からすれば、代金を払ったにもかかわらず、不動産を取り戻され、または認定された価額を更に支払わなければならなくなるということです。
 
まず、判例では、不動産を売却して金銭にかえることは、消費または隠匿しやすい財産にかえることであり、詐害行為にあたると言います。
 
ただし、ご安心ください。担保物件を相当な価額で売却し、その売却代金を抵当権者等の優先債権に弁済した場合には詐害行為にあたらないと言います。したがって、相当な価額でなければ、詐害行為として取り消される場合があります。
 
オーバーローンでなく、剰余価値がある場合もご注意ください。剰余部分については、不動産を金銭にかえたことになり、詐害行為になる可能性があります。
 
また、担保不動産と同時に無担保不動産を売却した場合、建物内の機械造作等の売買も行った場合は、抵当権の及ばない範囲では、動産を金銭にかえたことになり、詐害行為になるかどうか判断しなければなりません。
 
一般の任意売却の場合には、大丈夫な場合が多いように思われますが、上記のようなこともあり、任意売却の買主も、念のため弁護士に相談するのがよいでしょう。
 
 


taniharamakoto at 20:52コメント(1)トラックバック(2) 

2005年03月30日

不動産の任意売却において、買主側が注意すべきものについて、事後設立という問題があります。
 
事後設立が問題となるのは、株式会社ないし有限会社が成立後2年内にその成立前から存在する財産で、営業のために継続して使用するものを、資本の20分の1以上に当たる対価をもって取得しようとする場合には、株主総会ないし社員総会の特別決議を必要とするとともに、原則として裁判所に検査役の選任を請求しなければなりません。
 
具体的には、任意売却のために新会社を設立して、収益物件を譲り受け、以後不動産賃貸業を営む場合、パチンコ店を譲り受けてパチンコ店を営む場合、ホテルを譲り受けてホテルを営む場合等です。多くの場合が該当してしまうのではないでしょうか。
 
ただし、弁護士等の証明を受けることによって検査役の検査が不要になる場合もあります。
 
近時、新会社を設立して債務超過に陥った旧会社の不動産を購入して再生するというスキームが増えてきていますが、法律違反の落とし穴もありますので、弁護士等に相談した方が良いでしょう。


taniharamakoto at 18:17コメント(0)トラックバック(0) 

2004年12月28日

昨日はRCC(整理回収機構)で不動産の任意売却の決済、今日は某債権回収会社で損切り決済でした。債権回収会社は、債権管理回収業に関する特別措置法に基づき法務大臣の許可を受けて設立された会社です。
金融機関等から債権回収の委託を受けたり、債権譲渡を受けたりして、債権の回収をするのですが、債権回収会社が乱立気味で、過当競争になっています。そのため、債権の買い取り価格が上昇を続けています。
そうなると、債務者が損切りをしようと思っても、債権回収会社が銀行等から債権を買った価格が高いために、以前のように低額での損切りが難しくなってきています。
困ったことです。
 


taniharamakoto at 13:40コメント(0)トラックバック(0) 

2004年12月11日

昨日は不動産の任意売却の決済がありました。
任意売却というのは、土地や建物に銀行等のローンの担保がついている場合で、ローンの支払ができなくなって競売になる前に、自分で不動産を売却してローンを返済する方法です。
競売になると、市場価格よりだいぶ低い値段で売られてしまいますが、任意売却だと、ある程度いい値段で売れるため、債務者としては、それだけローンを圧縮することができ、銀行側も、競売の場合よりも多額の債権を早期に回収できるため、よく行われています。しかし、たいていはローン全額の返済はできず、債権が事実上残ることになります。
昨日は、複数の関係者、複数の不動産を一括して処理しましたので、関係者が20人くらい集まって決済を行いました。私が債務者の代理人となって、全ての担保権者と話をつけ、一堂に集まって同時決済をし、担保の抹消書類と引き換えにローンの支払をすることになります。
疲れました。任意売却案件がありましたら、是非どうぞ。


taniharamakoto at 16:06コメント(0)トラックバック(0) 
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